コースター | メレンゲ × ビスケットと、志村ふくみ『志村ふくみの言葉 白のままでは生きられない』
見えないものへの憧れ
手をかす。
手塩にかける。
手放す。
手がつく慣用句はとてもたくさんある。
その多くが
何かの行動につながっている。
それは
目指す状態を求めて起こす行動だ。
イメージのその先へ到達するために動かす手。
まだ見ぬものへの熱き憧れを胸に
自らの手を動かすのだ。
手仕事には
すべてがあらわになってしまう緊張感と愉快さがある。
手とは
それほどまでに何かを物語るようである。
『志村ふくみの言葉 白のままでは生きられない』
この本の中の志村ふくみさんの言葉ひとつひとつからは
染色作家としての使命感や覚悟
または願いや喜びが匂い立つようであり
人生の持ち時間が少なくなってきた中で紡ぎ出されるその言葉ひとつひとつに
研ぎ澄まされていく本能的な部分があらわになっているようだ。
思わず背筋が伸びる。
『「私」というもっとも見えないものを見るのは、
それほど衝撃的なことなのであろう』
わかっているようでわからないもの
「私」とはそういうものなのかもしれない。
だから性懲りもなく手を動かし続けるのだ。
生きていく中で季節はめぐり
人もまた季節の中で
清らかな色
濁った色
それらさまざま内包しながら
ブレンドされた自分という色との出会いに驚き続けていくのだろう。
どうせ驚くものならば
恥ずかしげもなく情熱に突き動かされているのがいい。
傷を負うことがあればその度に手当をし
手探りの憧れを手繰り寄せながら
手を動かし続けたその先は
純粋という名の道へときっとつながっているはずなのだから。
著 / 志村ふくみ『志村ふくみの言葉 白のままでは生きられない』求龍堂、2015年
コースター | メレンゲ × ビスケット
おうち時間が楽しくなるコースター(4枚セット) です。
メレンゲのような白と、ナチュラルウールのビスケットのような淡いベージュを掛け合わせました。
縮絨の際にそれぞれの色が混ざり合い、毎回異なる1点ものの風合いに仕上がります。
※縮絨とは、羊毛表皮にある鱗状のスケールといわれる部分が湿度や摩擦などによって絡み合いフェルト化することです。
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コースター |メレンゲ × ビスケット
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