ブックカバー | パンジーと、後藤繁雄『独特老人』
独りでゆく道
『独特老人』
何度繰り返し読んだだろうか。
この本の編著者である後藤繁雄さんご本人にお会いした時
『独特老人』がものすごい好きです
と伝えたら
そうだろう
そうでしょうとも
といった趣で静かに深く頷いていた。
もうなんというか
とにかく感動するんです。
この本に登場するのは
語弊を恐れずに言うとおじいちゃんたちである。
しかし
ただのおじいちゃんたちではない。
語彙力がなくて表す言葉が見つからないけど
とにかく魅力的な
名前を聞けば誰もが知っているような
錚々たるパンチの効いた爆裂おじいちゃんたちである。
そしてまた語弊を恐れずに言うと
死を間近にしても
なお
静かにメラメラと燃える紫色の炎のような情熱をまとった
素晴らしきおじいちゃんたちである。
何歳になっても尽きない
知りたい
伝えたい
という欲求。
それらに突き動かされて人は生きていると言えるのかもしれない。
そんなことを
この本に登場するおじいちゃんたちが教えてくれる。
当の本人たちは
さらさらそんな気があるんだかないんだか
そんなことはどうでもいいよという感じで
さらっと別世界、別次元を見せてくれる
そこに感動が生まれるんです。
後藤さんはまえがきの中にこう記している。
「人生は短く、芸術は長い」と。
ならば
静かに燃える紫色の炎のような人生も
面白いかもしれない。
独りのための世界。
特別な世界。
編著者 / 後藤繁雄『独特老人』筑摩書房、2001年
ブックカバー | パンジー
本に寄り添う柔らかさと機能性を備えたシンプルなデザインのブックカバーです。
パンジーのような紫色をベースに、下部にナチュラルウールのグラデーションを配しています。
縮絨の際にそれぞれの色が混ざり合い、毎回異なる1点ものの風合いに仕上がります。
※縮絨とは、羊毛表皮にある鱗状のスケールといわれる部分が湿度や摩擦などによって絡み合いフェルト化することです。
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