Slowly Quickly 羊毛という素材を使ったハンドクラフトのウェブサイト Slowly Quickly。羊毛のある心地よい暮らしの中に、ものづくりから生まれるあたらしい表現のカタチやスパイスを発見し、提案していきます。フェルト化させたり編んでみたり、ひとつひとつ丁寧に手間と時間をかけてつくる色とりどりの羊毛のアイテムを、手で触れて、肌で感じて。

ボトルケース | ミモザと、ビューティフルハミングバード『眠っているあいだに』

 

満てる暮らし

 

誰にでも特別な体験のひとつやふたつはあると思う。

 

ビューティフルハミングバードのライブで

それを私は体験した。

 

忙しい毎日の中で

どうにか時間をやりくりして駆け込んだ近所のカフェの夜の中庭では

チシャの木が美しくライトアップされていた。

 

人の間をかき分け

すみませんすみませんとか言いながら隅っこに場所を見つけ

今まさに始まろうとするその瞬間を

そこに座り込んで静かに待った。

 

歌い始めた光子さんの声はまるでヒーラーのように

小さな中庭から夜空の遠く高くにまで響き渡り

全ての空間に光を放つように充満して

虫や草も

全てのものやことを癒しているようだった。

 

気がつくと

始まりから終わりまで泣いて泣いて

壊れた蛇口のように涙が止まらず

もう

ぬぐってもぬぐってもびしょ濡れだった。

 

その時私の中の何かが

すっかり洗い流されていたのだろう。

 

「みてる」という地元の方言がある。

空っぽになって何もない状態を指す言葉だけれど「満てる」という。

 

月は満ち欠けを繰り返す。

けれど月は一度も欠けてなどいない。

地球の周りを回りながら

地球も自分で回りながら

その時々で見える姿が違うだけ。

 

もしも何かが空っぽになったとしたら

それは

また新しい何かで満たすことができるということ。

ありがとうを言って

こんにちはの準備を始めよう。

 

別れたり出会ったり

終わったり始まったり

欠けたり満ちたり

そんなことをぐるぐると繰り返しながら

地球のあちこちで

暮らしは明日へと続いていくのですね。

 

きっと

私が眠っているあいだでも。

 

 

 

詞・曲・歌 / ビューティフルハミングバード『眠っているあいだに』

アルバム『HORIZON』収録曲、2011年

 

 

 

 

 

 

ボトルケース | ミモザ

 

シンプルでシュッとしてるけど機能的、そんなデザインを目指したボトルケース です。

 

外側はミモザのような黄色、内側は茶色のナチュラルウールの羊毛を組み合わせています。

縮絨の際にそれぞれの色が混ざり合い、毎回異なる1点ものの風合いに仕上がります。

※縮絨とは、羊毛表皮にある鱗状のスケールといわれる部分が湿度や摩擦などによって絡み合いフェルト化することです。

 

 

 

アイテムについて詳しくはこちら

ボトルケース | ミモザ

 

 

 

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