ブックカバー | ココアと、牧野富太郎『牧野日本植物図鑑』
植物と共に暮らす
数年前の夏。
高知にひとり旅をした。
行きたいところをいくつか巡って
この旅の1番の目的
牧野植物園へ。
車1台分くらいの細く長い山道をうねうねと登ってたどり着いたそこは
山ひとつ
まるっと植物園になっている。
圧倒的なスケール。
広大な敷地の中を歩いて歩いて
真夏の熱と植物のシャワーを全身に浴びながら
ひたすら歩き回る道みちでふと目を引いたのが
そこらじゅうの植物に付けられた名札、名札、名札。
ものすごい数だ。
え、これにも!と驚くような
ともすれば見落としてしまうくらいの足元の小さな植物
そのひとつひとつにもきちんと名前があって
けして派手ではないその植物たち
ひとつひとつに
丁寧に付けられた名札たち。
「日本の植物分類学の父」と呼ばれる牧野富太郎の名前を冠した
五台山にあるこの植物園。
人の手で愛情を込めて自然や環境を守り
その大地に息づく植物全てを大切に育てていることを
園内のいたるところでしみじみと感じた。
先日
近所の花屋でアジアンタムを買って家まで戻ってきた時
家の近くの道端で
冬に抜かれたはずの小さな草花が
また同じ場所で勢いよく育っているのを見て
人はいつからか
屋根があって雨風をしのげる清潔な家を手にしたけれど
やっぱり植物が恋しくて
庭やベランダや家の中
いろんなところでいつでも身近に植物を感られるよう
こうやって私もせっせと
家の中に植物を増やしている一人なのかな
なんて
そんなことをなぜかふと思った。
『雑草という名の草はない』
牧野富太郎の言葉だ。
驚くほど緻密で美しい植物図が3200以上も記載されている
『牧野日本植物図鑑』。
ひとつひとつ異なる名前と異なる個性がそこに描かれている。
生涯植物一筋の情熱のなせる技は圧倒的。
植物と人間との共生。
私は私の小さな空間で
私のできることから始めよう。
著者 / 牧野富太郎 『卓上版 牧野日本植物図鑑』北陸館、2019年 重版発行
ブックカバー | ココア
本に寄り添う柔らかさと機能性を備えたシンプルなデザインのブックカバーです。
ナチュラルウールのココアのような茶色をベースに、下部にナチュラルウールのグラデーションを配しています。
縮絨の際にそれぞれの色が混ざり合い、毎回異なる1点ものの風合いに仕上がります。
※縮絨とは、羊毛表皮にある鱗状のスケールといわれる部分が湿度や摩擦などによって絡み合いフェルト化することです。
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