コースター | 青空 × 野苺と、やまだないと『ハルヒマヒネマ』
映画と日常
映画館で観た最初の映画の記憶は『雲霧仁左衛門』。
小学生の時
父親に連れられてふたりで観に行った。
大量の血飛沫で真っ赤に染まったスクリーンの迫力は
テレビとは全然違った。
小学校の課外授業で観たのは『南極物語』。
普段怖い先生がハンカチを握りしめ
暗闇でそっと泣いていた。
中学生になって
ともだちとふたりで行った『E.T』。
こどもだけで映画館に行くのを許されたことが大人になった気分で
なんだかムズムズウキウキした。
深夜のレイトショーも何度も観に行った。
当時はオールナイトって言ってたような気もするが
とにかく「夜」と「映画館」という組み合わせが
それだけで特別なことをしている気分になれた。
随分といろんな映画を観てきた。
授業や仕事をサボって行ったり
出張先の知らない町の知らない映画館にふらりと立ち寄ったり
わざわざ映画を見るだけのために違う町まで行ったり。
最近はレンタルやネット配信で観ることも多くなったけど
どんなシチュエーションであれ
映画を観ている時間と
そのあとの余韻が好き。
誰かと観るのもいいし
ひとりで観るのもいい。
日常の中で
不意に何故だか思い出してしまう映画のワンシーンとか
そういうのが
自分をカタチ作る断片になっていたりするのだろうか。
『ハルヒマヒネマ』の最後の方で
『映画を見ずにはいられない人になってみたいと思う。
映画を見なくても平気な人にはなりたくない。』
とヤハラハルヒは言う。
全くもって同感だ。
さっき観た『ただいま、ジャクリーン』も良かった。
長くて真っ黒な染谷将太のまつ毛が美しかった。
こどもの頃の私は
マッチ棒を乗せられるくらい長くてクリンとした良いまつ毛をしていた。
親が面白がっていつもそれを人に見せるたがるので
こどもの私はそれが嫌で
自分の長くて美しいまつ毛をハサミで切ってしまった。
いやはや
我ながら随分と思い切ったことをしたもんだ。
染谷将太の長く美しいまつ毛を見て
そんなことを思い出したりした。
映画は
人生のいろんな場面をしまってある戸棚の奥から
「そういえば、こんなんあったね」って
思わぬタイミングで
思い出をぬるっと引っ張り出してくる。
知らない誰かの物語のはずの映画の中に
自分の日常がこっそり紛れ込んでいたりする。
映画って不思議だ。
きっとまた観てしまう。
著者 / やまだないと 『ハルヒマヒネマ』講談社、2008年
監督 / 大九明子、脚本 / 村越繁、出演 / 染谷将太、趣里 ほか『ただいま、ジャクリーン』配給 / 映画美学校、2013年
コースター | 青空 × 野苺
おうち時間が楽しくなるコースター(4枚セット) です。
晴れた空のような鮮やかな水色と、野苺のような深みのある赤色を掛け合わせました。
縮絨の際にそれぞれの色が混ざり合い、毎回異なる1点ものの風合いに仕上がります。
※縮絨とは、羊毛表皮にある鱗状のスケールといわれる部分が湿度や摩擦などによって絡み合いフェルト化することです。
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コースター | 青空 × 野苺
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