Slowly Quickly 羊毛という素材を使ったハンドクラフトのウェブサイト Slowly Quickly。羊毛のある心地よい暮らしの中に、ものづくりから生まれるあたらしい表現のカタチやスパイスを発見し、提案していきます。フェルト化させたり編んでみたり、ひとつひとつ丁寧に手間と時間をかけてつくる色とりどりの羊毛のアイテムを、手で触れて、肌で感じて。

コースター | アメジスト × 檸檬 と、向田邦子『眠る盃』

 

観察と発見と行動と

 

なんだかある時期やたらと「向田邦子」の名前が私の周りを行ったり来たりするので

これは読めということだな

と思い手にしたのが『眠る盃』というエッセイ集だった。

 

向田邦子さんは実に

観察と発見、そして行動の人である

と思う。

 

自分の心に対して天真爛漫に行動をする人であるし

その元になっているのは

些細な日常を丁寧に観察することで

妄想とリアリティがごちゃ混ぜになった愉快な世界との遭遇だ。

そしてそこに

さまざまな感情を伴うまだ知らなかった世界の発見がある。

 

未知なるものの発見は

今いる物理的な場所もそうじゃないのも含めて新しい場所とか

知っているはずの人やモノやコト

そんなもんだと思い込んでいるアレコレ

それらへの新しい価値観との出会いを生む。

 

或いは

記憶の底に沈んで忘れていたものがうっかりぽっかり浮かび上がってきて

新しい解釈をもたらしてくれる

そんな驚きも手繰り寄せる。

 

しばしば人は

慣れ親しんでいたはずの通り道に突然空き地ができて

そこに一体何があったのか全く思い出せない

なんてことがある。

それくらい人は

漫然とした景色となってしまった記憶は曖昧にぼやけていて

見ているようでいて実際は

何も見てはいない。

 

なにかの物足りなさを心が感じることがあれば

いつもは気にも留めないような些細なことに目を向けてみるといい。

すると

近所の商店街の古びた店の看板のデザインが実はとても素敵だったり

小さな川の土手に生えた植物がやたら野生的だったり

バスを待つ老婦人がなんともお洒落だったり

雨の日の坂道を流れる水のカタチが摩訶不思議だったり

そんなことに気づいてなんだかウフフな気分になれることもある。

 

何をどう見てどう感じてどう行動に移すのか。

 

自分の心のコンパスの持ち方を考えるきっかけをくれる。

私にとって向田邦子とは

そんな人だった。

 

 

 

著  / 向田邦子 『新装版 眠る盃』講談社、2021年

 

 

     
   
   

コースター | アメジスト × 檸檬

 

おうち時間が楽しくなるコースター(4枚セット) です。

 

アメジストのような深い紫色と、檸檬のような爽やかな黄色を掛け合わせました。
縮絨の際にそれぞれの色が混ざり合い、毎回異なる1点ものの風合いに仕上がります。

※縮絨とは、羊毛表皮にある鱗状のスケールといわれる部分が湿度や摩擦などによって絡み合いフェルト化することです。

 

 

 

 

 

アイテムについて詳しくはこちら

コースター |アメジスト × 檸檬

 

 

 

関連情報

コメントは受け付けていません。